
enebularを使って、Node-REDのフローをチームで管理したり、複数デバイスへの遠隔からデプロイする方法を学びます。
- はじめに
- enebularでNode-REDフローを作る方法(Raspberry Pi編)
- Node-REDのフローを効率的に管理する方法
- 遠隔でデバイスのメンテナンスを行う方法
- カスタムノードの登録方法
- ia-cloudとenebularの連携サンプル
- 参考情報
はじめに
enebularとは、IoT製品・サービスづくりを包括的に支援する、開発・運用サービスです。エッジとクラウドにまたがるIoTアプリケーションをNode-REDを活用して開発し、様々なデバイスへ迅速にデプロイ することが出来るなど、IoTアプリケーションの最適な運用を支援します。
Node-REDをより便利にするenebular
複数フローの管理、共有が可能
実験で1人で使う場合は、Raspberry PiとNode-REDがあれば十分でしょう。しかし、作成したフローをチームで共有したり、別のメンバーがテストするには、Node-REDだけでは少し不便です。enebularなら、クラウドでフローをたくさん管理して、いつでも呼び出せますし、チームメンバーと共有することもフローの作成履歴を残すことも可能です。また、実験デバイスから本番デバイスへのデプロイもスムーズです。
オープンソースならではの相互利用
自分の作ったフローを誰かに使ってもらいたい場合もあるでしょう。しかし、flow.jsonファイルをメールで送るのでは少々不便です。enebularなら、作成したフローを簡単に公開できます。また、そのフローを使いたい人は自分のプロジェクトに直接インポートできます。あとはWebで動作を確認したり、デバイスにデプロイすればよいだけです。
プライベートノード 特定ユーザーとのノード共有機能
Node-REDで作ったフローやカスタムのノードを製品に組み込んだり、システム開発案件で利用したいという方もいるでしょう。しかし、そのためにはnode-red.orgにカスタムのノードを公開する必要があります。多くのプロジェクトや企業では自社の情報資産をオープンソースソフトウェアとして公開することは難しいでしょう。
enebularでは、カスタムのノードを、プライベートノードとして公開することなくプロジェクト内部だけで管理することが可能です。また、他のユーザーに作成したプライベートノードを販売することも可能になるため、新たなビジネスチャンスにつながります。
ia-cloudとenebularの関係
ia-cloudでは、製造現場でのIoT活用を支援するために、Node-REDをベースとした様々なツールやサービスを提供しています。そのため業務利用を想定したenebularとia-cloudは親和性が高いです。ia-cloudとenebularの関係を示した概要図をご覧ください。

ia-cloudでは、産業用デバイスやセンサーに対応したエッジアプリケーション(ノード)、手軽にデータを収集するためのクラウドサービス、製造業向けダッシュボードを提供しています。
一方、enebularは、複数のフローやアセットをまとめて管理できるプロジェクト管理機能を備え、エッジデバイスを一元管理し、開発したフローを遠隔からデバイスに一括配信できます。
このように、enebularを活用することで、ia-cloudの利便性をより高めることができるでしょう。